取引先の社長に高級時計を贈答したけど交際費になるの? 2018.2.5
こんにちは
福岡市中央区大名に事務所を構える緒方健税理士事務所です。
今回の情報は「取引先の社長に高級時計を贈答したけど交際費になるの?」です。
取引先の社長や役員の方々に贈答品を送ることがあると思います。
お歳暮など贈答品には様々なケースがありますが、ロレックスなどの高級時計を贈答した場合はどういう扱いとなるのでしょうか??
【お歳暮などの贈答品】
お歳暮や結婚祝いなどは、日本では文化として根付いた慣習であり、税法も「社会通念上相当なもの」であればもらう側で課税は原則行われません。
お歳暮を贈る側の法人では交際費として経費扱いとなります。
この「社会通念上相当なもの」の線引きは難しいところですが、高級時計、車、美術品などとなると税務調査では問題となるでしょう。
一般的なお歳暮として高級時計を贈ることは根付いている慣習とは言えないからです。
【高級時計を贈答した場合】
それでは法人が取引先の社長へ高級時計を贈答した場合は、どういう課税扱いとなるのでしょうか?
①もらう個人の側の課税関係
ビジネスでの取引関係がない会社からもらう場合は「一時所得」、役員や従業員の立場から取引先からもらう場合は「雑所得」として取り扱われます。
所得の計算は以下の通り。給与所得以外の所得が20万円を超えると確定申告の義務が生じます!
≪一時所得の計算≫
総収入金額※ - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)
≪雑所得の計算≫
総収入金額※ - 必要経費
※腕時計や時計などの場合は、その時の時価が収入額となります。
②支払う法人の側の課税関係
ビジネスでの取引関係がある社長や従業員へ贈答した場合で、貰う個人の側でもきちんと課税処理が行われていれば交際費として経費扱いとなるでしょう。
ビジネスでの取引関係がない個人への贈答は、社長の個人的な経費として役員賞与として扱われます。
役員賞与は事前に届出を出しておかないと税務上は経費とならないため、この場合は経費処理出来ないことになります。
賞与分の所得税の追徴、経費否認分の法人税等の追徴、延滞金等の罰金が発生します。
【税務調査ではどうなる?】
税務調査では、贈答した相手側に確認がいきます。
一般的に相手側に迷惑がかかることになるため、社長の個人的な経費として自己否認するケースが多いといえます。
この場合は、経費否認の上、役員賞与分は社長の所得税追徴、重加算税などと沢山の追徴税が発生します。
いかがでしょうか??
社会通念を超えるような贈答は税務署も怪しいと注意が集まります。
相手側にも確認がいく話ですので、注意が必要です!!